イギリス留学の思い出

20年以上前に経験したイギリス留学の思い出を取りとめもなく書く

ホストファミリーが変わる

英語学校の3か月目。僕は最初の二カ月をとても楽しく過ごし、英語力も劇的に伸びた。

2か月目にたくさんいたヨーロッパ大陸からの学生たちは3か月目にはほとんどいなくなり、3か月目は少し寂しくなった。

 

英語学校は相変わらず楽しかった。2か月目にやってきた初老の女性の先生はものすごく僕とウマが合った。教え方も丁寧で上手で、ユーモアもあって面白く、僕は日記を毎日書いて先生に添削してもらっていたけど、それがすごく英語力アップにつながった。

名前はたしかエレイン先生だ。今どうしているだろう。当時エレイン先生はいろんな国に行って英語を教えながらキリスト教の宣教を行っていた。もう20年以上前のことだから、今はきっと引退してイギリスで過ごしているかもしれない。

今でもエレイン先生には感謝している。

 

2カ月目の終わり頃、ホストファミリーの子供が夏休みに入り、休暇に出掛けるということで僕は滞在する家を移った。ホストマザーには少し神経質なところがあったけど、僕にとってはとてもいい人だった。子供と写真を撮って、再会を約束した。

けれど結局それ以来そのホストファミリーとは連絡を取っていない。

 

新しいホストファミリーは老夫婦とその娘さんで、平屋建ての小ぢんまりとしたさっぱりした家に住んでいた。僕は娘さんとはほとんど会った事はないけど、老夫婦の2人ともとてもいい人たちだった。

そこでは毎朝その夫婦と一緒に朝食をとった。前の家は個々で別に朝食をとっていたので、この家は温かい雰囲気だなと感じた。朝食も全部用意してくれたのでありがたかった。

 

ホスト夫婦が結婚したころの写真が玄関に飾ってあり、それは歴史の本で見るような白黒の古ぼけた写真だった。きっと戦前のもので、そういう写真も僕には珍しかった。

彼らには子供がたくさんいるらしかったけど、一緒に住んでいるのは末の娘さんだけのようだった。娘さんはおそらく当時20代後半あたりだっただろう。

旦那さんはシャワールームをぶち壊していた。そこにバスタブを設置するんだと言っていたけど、DIYは一向に進まなかった。そもそも狭いシャワールームにバスタブを置けるとは到底思えなかった。そういうわけで、その家に滞在中、シャワーは英語学校の寮のものを使い続けた。

 

さて、2カ月目の後半にも少しだけど生徒が来た。そのうちの1人はスイス人の20代前半の男性、C君だった。彼は僕と同じ家にホームステイすることになり、すぐに友人になった。その家では僕と彼は同じ部屋に滞在したので、いろいろ話した。

話の中で「英語学校が終わったらどうする?」という話題が出た。僕は9月いっぱいまでやる事がなかったので「旅行でもしようかな」と言った。すると彼は「自分もそうしようと思ってる」と答えた。

 

こうして、僕と彼、それにもう一人加えて、英語学校終了後に3人で2週間の旅行をすることになった。