イギリス留学の思い出

20年以上前に経験したイギリス留学の思い出を取りとめもなく書く

エディンバラへ

スコットランド旅行も後半に差し掛かり、スコットランド北部から車で南下している僕とスイス人男女の三人。人がだんだん増えてきてようやく人恋しさが消えるかと思いきや、僕の孤独感は増していった。

 

目指すはスコットランドの首都、エディンバラだ。その北にはインヴァネスというそれなりに大きな街がある。

僕らはインヴァネスに寄り、半日ぐらい回った。

といっても僕のインヴァネスの記憶はほとんどない。きれいで坂の多い街だという印象があるけど、細かくは思い出せない。

 

そういやスイス人女性のSさんがそこで鼻ピアスを買っていた。彼女はずっと小鼻上部付近に小さな鼻ピアスをつけていたけど、ダーネスというブリテン島最北の村に泊まった時に、シャワー中それをなくしてしまったらしい。明かりがほとんどないので見つからなかったと言っていた。僕は鼻ピアスなんてない方がいいと内心思ってたけど、彼女は紛失をずっと悔やんでいた。そういうわけで新たに鼻ピアスを買ったという。嬉しそうにしていた。

 

僕はといえば、ツーリストインフォメーションセンターで久しぶりにネットにつなげたのが嬉しかった。使用料は30分で2ポンド(当時350円くらい)ぐらいだったと思う。

次の月に入学することになっていた大学からの連絡が来ないか気が気でなかったので、メールを確認できて心底ほっとした。大学からは何も来てなかったけど。

メール確認後は日本のサイトにアクセスして暇をつぶした。僕はつくづくネット廃人だ。

全部で一時間ぐらいやっていたけど、途中でネットが切れてつながらなくなってしまった。受付の若い女性に文句を言ったら、あとで2ポンド返してくれた。

正直イギリス人が苦情を受け入れて返金までしてくれたのが意外だった。きっとあの若い女性がイギリス人の中でも特殊だったんだる。

これまでも、この後も、僕はイギリスの劣悪なサービスに悩まされるのだ。

 

インヴァネスは中世の舞台のようにきれいだったけど、エディンバラは新しい市街も隣接する面白い街だった。僕はエディンバラの事がとても好きになった。

僕らは大きな街では単独行動が基本だった。けどエディンバラに着いた時、Sさんが「一緒に街を周ろう」と話しかけてきた。

僕は「なんで?」という態度で、一人で周るから、と断った。彼女は残念だと言って離れていった。

 

あれは何かのフラグだったんだろか?

けど僕は留学のことで頭がいっぱいで、女性と仲良くなろうなんて考えは一ミリもなかった。Sさんを女性として意識したこともない。

Sさんは同じスイス人のC君と仲良くなるかなと思ってたけど、結局そうはならなかったらしい。