イギリス留学の思い出

20年以上前に経験したイギリス留学の思い出を取りとめもなく書く

英語学校の遠足

僕が行っていたウェールズの英語学校では毎週水曜の午後に遠足があった。

企画する方もすごく大変だったと思うけど、毎週ウェールズや北イングランドの名所を巡れるのは本当に楽しくて、僕はいつもその遠足を楽しみにしていた。

 

遠足の参加は任意で、行きたくなければ行かなくてもいい。実際行かない人もいたけど、ほとんどの生徒は参加していた。

内容も行き先も様々で、チェスターやリヴァプールなど大きな街に行くこともあれば、山に行ってハイキングすることもあった。

どこに行ったのか、思い出せるだけ思い出してみる。

 

チェスターという街にはローマ帝国時代から残る遺跡があって、石でできた城壁の上を歩いたりできた。この街はとても美しく、昔ながらの白黒のチェックボードのような建物が残っている。確か運河もあったはずだ。運河のほとりを歩いた覚えがある。

 

リヴァプールビートルズ発祥で有名な港町だ。かなりでかい街で、ここにはでっかい大聖堂がある。人も多かった。

思ったよりもビートルズ色が薄く、むしろ港町らしく船や漁師に関するモニュメントが多かった気がする。まあ、もちろんビートルズゆかりのものはあって、イエローサブマリンという曲で出てきた黄色い潜水艦のモニュメントがあった。

今知ったけど、この潜水艦のモニュメントは移転されて今はリヴァプール空港にあるらしい。

 

コンウィ(Conwy)は北ウェールズにある小さな町だ。ここには「世界一小さい」と称する家がある。ウェールズの伝統衣装を着たおばさんが立っていて、そこでお土産を売っていた。多分中にも入れるんだろう。

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「小さい家」というだけで客を集められることが僕には滑稽だった。まあ確かに小さいんだけど、「もっと小さい家がどこかにあるんじゃないの」とクラスメイトと話したりした。

 

ここは海に面していて、僕は海岸で海を見ながら学校でもらったサンドイッチを食べることにした。一口か二口か食べて、手に持ったまま海をボーっと眺めていたら、突然サンドイッチが消えた。

カモメが僕の背後から飛んで来て、僕のサンドイッチを奪って海のほうに飛んで行ったのだ。ほんの一瞬の出来事だった。

 

こういう経験はいろいろな人から聞いていたけど、僕もそれを経験することになるとは思わなかった。僕の昼ごはんはそれしかなかったので、遠足の残りの時間を空腹で過ごす羽目になった。当時はむちゃくちゃ腹が立って、イギリスについて語るたびに人にその経験を話していた。

今はいい思い出だ。ネタをくれたカモメに感謝すらしてる。