イギリス留学の思い出

20年以上前に経験したイギリス留学の思い出を取りとめもなく書く

英語学校が始まる

ウェールズの英語学校に入って1日目。

たくさんの生徒が僕のところにやってきて自己紹介してくれた。

その学校は結構特殊な構成で、日本人3人のほか韓国人が十数人いて一大グループを築いていた。あとは若干の台湾人、ドイツ人、オーストリア人、スイス人など。

僕は日本の大学院のときから韓国人と交流したことがあったので、この雰囲気に少し安心した。

 

英語学校のクラスは4つに分かれていた。僕は上から2番目のクラスに入ることになった。

もうすでに新学期が始まっていたので、僕は途中入学だ。とはいっても1学期が数週間なので、そこまで他の生徒とは差はない。

僕のクラスは確か10人弱の生徒がいた。若い10代の子もいれば、40代以上の人もいた。

 

最初の学期のクラスは2人の先生が受け持ちだったけど、先生によって当たり外れが大きかった。年配のイギリス人女性の先生は結構退屈だった。教科書通りの答えをしないと納得しない先生で、正直役に立つ英語とは思えなかった。

もう一人の若い女性の先生の授業はとても楽しく、実用的だった。たまにミスタービーンのビデオを観たりして、僕はそれが楽しみだった。

 

授業以上に、学校の友人たちと英語でしゃべるという習慣によって僕の英語力は劇的に伸びた。この英語学校の数か月間で、僕の英語力は本当に向上した。

もちろん友人たちもネイティブではないので、どちらも完ぺきではない英語で何とかやり取りをするというレベルだ。でも英語上達のためには下手でもコミュニケーションを取ることが大切だと身をもって知った。

日本人の友人といるとどうしても日本語をしゃべってしまうけど、韓国人や台湾人の友人とは英語でやり取りするしかない。彼らは日本人に思考が似ているので、イギリス人相手のように「こちらの思考概念から説明しなきゃいけない」ということがなく、何となく話せば何となく通じる、という距離感が心地よかった。

 

英語学校は午前中に授業があり、たしか10時台に一度休憩が入り、食堂でお茶とお菓子が出される。そのあとまた授業があり、その後昼食。午後は授業がある日とない日がある。

英語学校では夕食も出た。

イギリスの飯はまずい、とよく言われる。けれど、英語学校で出た食事はうまかった。毎日何を出されてもうまかった。当時僕は痩せ気味の体格だったけど、英語学校の食事によって少し太った。

 

夕食を食べた後は、みんなでよく海岸を散歩したりした。イギリスの初夏は明るく、さわやかで、本当に気分がいい。ウェールズの海岸は遠浅で、潮が引くとどこまでも歩いて行ける。

みんなで海を歩いたり眺めたりしながら、将来の夢やら自分の興味あることを語ったりした。

今思い出しても、あの頃は本当に毎日が楽しかった。