イギリス留学の思い出

20年以上前に経験したイギリス留学の思い出を取りとめもなく書く

ウェールズに到着

イギリス上陸初日、僕はマンチェスターで日本人の旅行者に出会い、彼女に色々助けてもらった。

無事に長距離バスに乗り、ウェールズを目指す。

 

僕の目指す街はとても小さな海沿いの街だった。別に観光地でもなんでもないけど、遊園地があったり遠浅の海岸があったり、ウェールズの人たちにとってはちょっとした行楽地のようだった。

もちろん僕は到着するまでそんなことは何も知らない。

 

バスの旅は快適だったんじゃないかと思う。正直よく覚えてない。3~4時間ぐらい乗っていた。

途中でパーキングエリアみたいなところに降りて休憩をした。イギリスのパーキングエリアは非常に貧相で、コンビニみたいな小さな雑貨屋が一件、あとはちょっとしたコーヒースタンドがあった。

乗客がゾロゾロ降りて、トイレに行ったりコーヒーを買ったりしている。僕もトイレに行った。

イギリスのトイレでまずびっくりしたのは、小便器の小ささだ。

日本の小便器は床から腰まで陶器でカバーされている。ところがイギリス(というかヨーロッパ全部そうなんだけど)の小便器は膝ぐらいから腰ぐらいまでしかカバーされておらず、小さい。おまけにイギリス人仕様に作られているので設置場所がやたら高い。足の短い僕はつま先立ちをしないと便器に届かない。

用を足して手を洗う。手は乾燥機で乾かすけど、この乾燥機がとんでもなくハイパワーで、ボタンを押すと大音響とともにものすごい勢いで風が出てきた。この風はなかなか止まらない。今、日本では手をくぼみに突っ込んで静かに引き抜く、みたいな乾燥機があるけど、イギリスにそんな気の利いた乾燥機はない。ただ箱から強風が吹きだすのみだ。

本当はペーパータオルみたいなのがよかったけど、そんなものはなかった。

 

その後コーヒーを買う。僕はイギリスのコインを用意した。この当時、僕はどのコインが何ペンスなのか、全然わかっていなかった。イギリスのコインは大きさも形もバラバラで、それが僕にはとても新鮮だった。

コーヒーを頼み、何度も事前にチェックしたコインを渡す。「イギリスでコーヒーが買えた」と無茶苦茶うれしかった。

ちなみにコーヒーはとても薄く、まずかった。きっとインスタントコーヒーだったんだと思う。

 

コーヒーを飲み終わり、バスに乗り込み、ウェールズまで寝て過ごす。

ウェールズに着いたのは夕方前だった。バス停に先生のうちの誰かが迎えに来てたと思う。

 

バス停から英語学校までは遠くなかった。英語学校、といっても普通の少し大きめの家だった。

この英語学校で僕は人生最良の3カ月を過ごす。