イギリス留学の思い出

20年以上前に経験したイギリス留学の思い出を取りとめもなく書く

英語学校の韓国人たち

留学初めの英語学校のことを語り始めると次々と思い出がよみがえってくる。あの頃がすべての留学期間中で一番楽しかったので、語りたいことが次々出てくる。

人に読ませるようなものではないけど、どうせこんなもの誰も読まないから思い出せるものを何でも書いておくことにしよう。

 

僕が英語学校にいたのは3カ月ほどだったけど、1カ月ごとに生徒がガラッと変わるのでいろいろな人と出会えて楽しかった。

最初の一カ月は韓国人が多数派だった。男性が4、5人、女性が10人ほどだったか。その誰とも仲良くなったけど、衝突がないわけでもなかった。

 

女性たちは割と穏やかな子が多く、あまり問題を起こすことはなかったけど、男の中でやたらマイペースな奴がいて、「今日はワールドカップの試合があるから英語の授業は中止にしよう」とかいって授業を中止させたり、「みんなで集まってグループワークをしよう」と言い出しておきながら約束をすっぽかすとか、僕の性格もガサツな方だったけど、彼のガサツさは常人の上を行っていた。僕は同じ学校にいた日本人の男性と「あいつ適当だよなあ」とよく文句を言った。

彼はいきなり歴史の話をしたり、「お前過去の歴史についてどう思う?」とか議論を吹っかけてきて、めんどくさい男だった。けれど性格は陽気で、特に歌とギターがうまかった。結局彼との付き合いが一番長く続くことになった。

 

韓国グループの中にはリーダー格の男性がいた。彼は実にしっかりした性格で、まさにリーダーという感じだった。問題が起こると仲裁したり、ホームシックにかかった女性を慰めたりしていた。僕も「君の存在が皆を和ませる」とか褒めてもらったりした。

海軍上がりだという男性は、ものすごく大柄で、そのくせ笑顔が絶えない好青年だった。彼にはやはり背が高くものすごく美人な彼女がいて、いつも2人で一緒に勉強をしていた。彼女は寡黙で非常にクールな顔立ちをしていて、当時の僕は失礼ながら「韓国人っぽくない」と思った。この2人は傍から見てとてもお似合いだった。

 

美容師だという女性は性格が面白く、僕の髪も切ってくれた。寝るのが好きな女の子は、イギリスのインスタントラーメンをおいしくアレンジするのがとても上手だった。韓国の外大卒だという女の子は国際感覚豊かで、積極的に他国の生徒と交流していた。僕も彼女とよく一緒に散歩したりおしゃべりをしたりした。

 

他にも語りたい人はたくさんいるけど、とにかく僕は彼ら韓国人グループとのワチャワチャがとても好きだった。留学準備はずっと一人だったけど、この英語学校ではみんなが僕の夢を聞いてくれて、みんなが夢の実現を願ってくれた。

 

そして、彼らの大部分は、僕が英語学校に来て1カ月ほどで去っていった。