イギリス留学の思い出

20年以上前に経験したイギリス留学の思い出を取りとめもなく書く

英語学校の寮のこと

僕はイギリスに渡った後、大学院に留学する前にウェールズの英語学校に3カ月ほど在籍した。別に英語学校に行く必要はなかったけど、行って本当に良かったと今でも思う。

 

海外に少しでも興味のある人は語学留学でもいいからぜひ短期でも滞在してみてほしい。必ず貴重な楽しい経験になると思う。

ただし大学留学の場合は少し覚悟した方がいいかもしれない。

 

僕が言った英語学校は企業や学校法人が運営するものじゃなかった。キリスト教系の団体が短期の宣教活動を行う人たちの英語を訓練するために作った学校だ。実際、学校には十数人の韓国人がいたけど、そのほとんどが宣教活動のために英語を勉強していた。

 

けれど、別に宣教目的じゃなくてもその学校に入れる。僕はただ本場の英語とイギリス生活に慣れるためにその学校に入ったし、ヨーロッパ人の生徒のほとんどは地元の教会に勧められたとかでその学校に来ていたらしかった。

そういう学校だから、普通の英語学校と違ってバリバリの英語教育を行ってはいなかった。僕はそういう緩い雰囲気がとても心地よかった。

 

さて、この英語学校は近所に家を所有していた。この家は3階建てぐらいの典型的なジョージアンスタイルの家(要するに長屋)で、学校の生徒が10人前後滞在していた。

この家を僕ら生徒は「レッドコット」(多分Redcotと書くんだと思う)と呼んでいた。なぜそういう名前なのかは知らない。赤くもないしコテージでもなかった。

 

レッドコットの1階には居間とキッチンがあり、多くの生徒は学校の後そこを訪れてはダラダラと夕べを過ごした。僕はこの時間がたまらなく好きだった。

 

僕はレッドコットに行くとまずキッチンでトーストを焼いて食べた。そこで食べるジャムサンドは格別だった。イギリスのジャムは形を残したイチゴが丸ごと入っていて濃厚だ。

韓国人の女の子たちはラーメンをよく作ってくれた。イギリスでも安売りのインスタント袋麵が売ってるけど、そのまま作っても正直おいしくない。けれど韓国の子がアレンジして作ってくれたラーメンはなぜか本当においしかった。

 

居間にはテレビがあった。ちょうどワールドカップをやっていたので試合がある日はそれを観ることもあったけど、その時は日韓共同開催だったのでイギリスとは時差があり、僕らがレッドコットにいるときは大抵試合は終わっていた。

 

代わりに盛り上がったのがUNOだ。よく韓国人がみんなでUNOをやっていた。

僕らもよく混ざって楽しんだ。韓国には独自のUNOルールがあって、僕らはそれを「韓国ルール」と呼んでいた。その韓国ルールで遊ぶUNOはとても盛り上がって僕らは時間を忘れて夢中になった。

ちなみにその韓国ルールがどんなだったのか、今では覚えてない。

知ってる人いたら教えてください。

 

レッドコットは海岸に近かった。海岸までは歩いて3分もかからなかった。

僕らは居間での遊びに飽きると海岸に行ってくつろいだ。

 

あの時、僕は20代半ばにして「青春」を楽しんでいた。