イギリス留学のために受ける英語検定試験は普通はIELTSだ。でもほとんどのイギリスの大学はTOEFLも認めている。TOEFLとは主にアメリカ留学のために必要な英語力検定試験だ。
IELTSは一度受けたら90日は再受験できないという決まりがあるので、僕はTOEFLも受けることにした。TOEFLは毎月受験が可能だし、何より地元で受けることができるのがありがたかった。
IELTSとTOEFLはまったく試験形式が違うので、IELTSの試験対策をしていればTOEFLもできる、ということはない。でも所詮は同じ英語力を問うテストなので、当然英語の実力があれば少しの準備で対応できる。
僕はTOEFLの対策本を買って準備を始めた。TOEFLは受験者が多いせいか情報が多くて助かった。ただしTOEFLは独学だ。IELTS対策はブリティッシュカウンシルで対策コースに入って習ったので、独学でTOEFLの点が取れるのかどうか不安はあった。
そのころ、TOEFLはコンピュータベースになりつつあった。つまりパソコンに向かって試験をするのだ。この試験は「CBT」と呼ばれていた。今ではもう普通の試験法なのかもしれないけど、当時僕は「パソコンで試験できるの?」と半信半疑だった。筆記方式のTOEFL試験もあったけど、地元ではやっていなかった。
画面はまさに「Windowsのアプリ」って感じ。
ちなみに今はもうCBTはないそうだ。TOEFL受験希望者でこれを読んでる人がもしいたら、このブログは20年以上前の情報なので参考にしないでください。
CBTは4つの分野が問われる。読み、構造(つまり文法)、聴き、そして書きだ。CBTには「話し」がなかった。スピーキング力を問う試験は別にあって、受けたい人はそれを受ける。
イギリスの大学は「IELTSが〇点以上、またはCBTが〇点以上」みたいな条件で英語力を要求するので、CBTを選択した場合は実質スピーキング試験が免除されるという嬉しい特典があった。もっとも、レベルの高い大学は「CBTの場合はスピーキングテストも必要」とただし書きを入れるところも少なくなかったので、そういう大学を目指す場合はそこまでお得感はない印象だった。
IELTSとTOEFLの最大の違いは、回答方式だ。IELTSはすべて筆記なのに対して、CBTは選択方式だった。たしか基本的に4択だった気がする。じゃあTOEFLは簡単なのかというと、そんなことは全然ない。
両方聴いた印象では、TOEFLのリスニングはIELTSに比べてスピードが速く、長い。IELTSのはまさに「教科書」という感じの、「お約束」通りの会話をするので対策はしやすかったけど、TOEFLは大学生の会話みたいなくだけた速い会話が出題されるので、とても難しかった。
読みはTOEFLの方がいわゆる日本の受験英語に近かったと思う。IELTSはもうちょっと難しかった。
書きはTOEFLの方が難しかった。ある程度テーマを絞ってくれるIELTSに比べてTOEFLの方は記述の自由度は高く、どう書けばいいのかよく分からなかった。
付け焼刃程度にCBTの対策をした僕は、試験日に地元にある試験会場に足を運んだ。
そこには個々にブースで仕切られたたくさんのパソコンが並ぶ部屋があった。