イギリス留学の思い出

20年以上前に経験したイギリス留学の思い出を取りとめもなく書く

イギリス留学フェアに行く

留学というブログタイトルなのにいつまでたっても留学前の話ばかり書いてる。

留学のことを思い出すと、留学前のこともありありと思い出すからだ。むしろ留学前のあのころの方が希望に満ちていた。夢は夢のままが一番美しい。

まあ誰も読まないだろうし書きたいことを書きなぐっていこう。

さて、今書いてるのは留学開始のだいたい1年くらい前、大学院2年時の秋ごろのこと。

 

ブリティッシュカウンシルで「英国大学フェア」みたいなものをやるという広告を見かけた。なんでもイギリス中の大学の担当者が日本に来て、留学のためのアドバイスをくれるというのだ。まさに僕のために開かれたようなイベントだった。

このイベントは確か東京と大阪で開かれたような気がする。僕は大阪のイベントに行くことにした。

 

会場がどこだったかは覚えてない。イベントの日、会場ビルの搬入口で長渕剛のコンサートスタッフがものすごい気合で荷物を運んでたのを覚えてる。すごい気合だった。

 

エレベーターで上層階に上がる。ものすごく大きいホールの1フロアまるごとすべてがイベント会場だった。こんな大規模なイベントなのかとビックリした。宣伝どおり、たくさんの大学の関係者が机を並べ、来場者にパンフレットを使って説明していた。

イギリス中のほとんど全部の大学が参加していたんじゃないかと思う。

 

僕はケンブリッジ大学のテーブルを探した。でも、ケンブリッジ大学はいなかった。

オックスフォード大学のテーブルも探したけど、オックスフォード大学のテーブルもなかった。

さすがオックスブリッジ、自分から媚を売ることはしないのだ。感心したけど、ちょっと腹も立った。日本人はお呼びでないのかと。

 

実際、日本人がイギリスに留学することはあまりない。今は当時よりもかなり留学希望者が減ってるだろうけど、当時もイギリス留学希望者はそんなに多くなかった。

もちろんこのイベントにはたくさんの来場者がいた。でも他のアジア諸国、中国とかシンガポールとかの留学希望者と比べたら日本人の数なんて微々たるものだ。

イギリスの大学からすれば、日本人市場は小さく、儲からない。宣伝に来ない大学があっても不思議じゃない。

 

目をつけていた他の志望校を探す。エディンバラ大学グラスゴー大学はテーブルがあって、それはもう懇切丁寧に大学のことを教えてくれた。このイベントでこの2校に対する印象はかなり良くなった。

あのときエディンバラ大学に決めておけばよかったのかもしれない。エディンバラに行ってたら今ごろどうなってただろうと思うことがある。

 

さて、興味ある大学も興味ない大学もいろいろ見て回って、だいたい1~2時間その会場で過ごした。あまりにも多い情報に僕は疲れてしまい、もらったパンフレットの束を抱えながら会場を後にしようとしたその時、僕はある大学のテーブルを見つけた。

その大学のスペースに人はいなかった。無人のテーブルの上にパンフレットが山積みしてあって、その山積みも崩れて散らかっていた。

「なんて適当な大学なんだ」と僕は少し呆れた。

 

その大学は、日本ではそんなに有名じゃないけど、イギリスでは有名な大学だった。評価機関によっては、オックスブリッジに次ぐトップ3に入るほど優れた大学だと言われることもあった。僕も名前だけは知っていた。

その崩れたパンフレットの山から1部取り、持って帰ることにした。これが僕の運命を変えた。

 

その大学の名前は、インペリアルカレッジ。

 

たぶん日本じゃ誰も知らない大学。