留学先をイギリスに決めた。一方的に憧れたという理由だけで。
イギリスは格調高いような気がした。歴史もあるし、もと大英帝国だし。
あと大学がきれいで荘厳だし。古い大学は特に。
ヨーロッパに対する憧れも少しはあった。
でも問題があった。英語ができない。
僕がしたいのは語学留学じゃない。本気の学位取得留学がしたいのだ。
語学留学は「遊学」とバカにされるのがオチだ。キートンにあこがれるならしっかり現地で現地の学生と同じように学んで、正真正銘の学位を取らなきゃダメだ。
我ながら当時の自分がキートンに影響されすぎてて笑える。
当時、英語はまあちょっとがんばって触れるようにしてたけど、能力はしょせん日本人英語に毛が生えた程度。
当時Timeというアメリカの政治系雑誌を読んでた、というか眺めてた。当然記事なんか理解できるはずがない。小さい活字を読む気もしない。見出しだけ眺めて、そこにあるわかんない単語をちょっと調べて、わかった気になって、おわり。これじゃ上達するはずがない。
あとアルクのヒアリングマラソンを断続的にやってたと思う。何も上達しなかった。たくさん聴けとか言われても飽きてしまって途中で聴かなくなってしまう。あれも1000時間聴いてたらもっと上達してたかなあ。
当時通ってた日本の大学に留学生会館があった。そこに語学交友募集の張り紙を貼ったりした。これは、当時読んだある本に「そうしろ」と書いてあったのを実行したものだ。スウェーデン人が話し相手になってくれたな。半年ぐらい交流したと思うけど、彼は日本語がとても上手だったので、僕はろくに英語もしゃべらずただの日本語を話す友人として付き合っただけだった。そのうち交流も途絶えてしまったけど。
まあいろいろやったけど結局何をやっても英語は身に付かなかった。
やっぱり強制的に英語をやらなきゃダメだと思い立ち、英語教室に通うことにした。
大学に入ったころ英会話教室に通ったことがあったけど、10回ぐらい行ってパッタリとやめてしまった。料金は前払い、レッスン90回分ぐらい、50万円くらい払ったと思う。今考えてもほんともったいない。
(ちなみに英会話教室に行き始めたのは別に留学したかったからじゃなくて、営業の若いお姉さんからいきなり電話がかかってきて「2人で会いませんか?」と言われ浮かれてしまい、あれよあれよという間に契約させられてしまったからだ。純情というかアホというか…書いてて呆れる。)
この苦い経験があったので、民間の英会話みたいなところじゃなくて、ちゃんとしっかりした英語教育機関に行きたかった。
探してみると、ちょうど僕にピッタリの場所があった。
それが、イギリス政府公式機関、ブリティッシュカウンシルだ。